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2019年10月11日 (金)

『ていねいに生きて行くんだ』 前山光則 弦書房

<本のある生活〉の副題付。

 

    加計呂麻、水俣、東京、福島……石牟礼道子、島尾敏雄との交流も

    含めて過去から現在まで、小さな旅の記憶をたどり書きとめた70の

    エッセイ集          (帯文より)

 

一の「孤」は島尾敏雄の章。

「加計呂麻島の浜辺を歩いた」には、「島尾敏雄生誕一〇〇年記念祭」の

イベントに参加した時のことが綴られている。

2017年7月7日から9日にかけての日程、行事が詳細にあり、参加しなかった私と

しては垂涎もの。

 

7月7日、「海辺の生と死」の上映

7月8日、加計呂麻島散策ツアー

7月9日、講演とシンポジウム

 

著者の筆致にたのしさが伝わってくる。この100年祭には参加出来なかった。

しかし、2015年の7月9日から11日にかけて奄美大島に行き、「郷土料理かずみ」で

島の料理を堪能し、島尾敏雄の旧居・文学碑も見学、加計呂麻島ではゆっくり

1日かけて散策したことが思い出された。(当ブログの2015年7月に

この旅のことは記している。もう随分前のことのようにも思われてくる。)

 

著者・前山さんの奥様は2017年9月に膵臓癌の診断が下り、10月4日に膵臓の

手術を受けている。その妻の使っていた「3イヤーズ・ダイアリー」との名が付いた

手帳の最後のページに書かれていた言葉。

 

     美しいものを

     信じることが、

 

     いちばんの

     早道だ。

 

     ていねいに生きて

     行くんだ。

 

淵上毛錢の「出発点」の詩である。

 

     妻が毛錢の「ていねいに生きて/行くんだ」との

     意志表明に共感しているという、

     そのことだけははっきりしている。 

         「ていねいに生きて行くんだ」より

 

9月27日、前山さんの講演を聴きに行くのを躊躇っていたのに、

行くように勧めてくれたのは連れ合いであった。予備知識もないままの

前山さんのご家族のことであったが、この書を読み進めるにつれて、

なんだか〈巡り合わせ〉というか、何かを感じている。

 

ほんとうに「ていねいに生きて行くんだ」と。

 

                2019年9月30日

                 2000円+税

        

 

 

    

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