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2019年11月29日 (金)

「梁」2019.11   現代短歌・南の会

第97号である。

巻末の「本号執筆者」を見ると、34名の方々の名前と住所が

掲載されている。同人誌としても圧倒的な人数である。

 

前96号で特筆したいのは、生田亜々子の「変身の刻 ~石牟礼道子の短歌研究

五十首~」であった。克明な資料を丹念に検証したものであり、石牟礼道子の

25年間の歌作期間を考察した文章は、読み応えがあった。

 

そして、このたび97号の同じく生田亜々子の「本棚の行方ーー熊本県立図書館

内田文庫ーー」も、私などには<わが本の行方>としても今まさに模索している

ことでもあり、参考になった。

 

    内田文庫の寄贈は生前なのか死後なのか書かれていないため……(略)

    本というものは持ち主の死後、あまり大切にされない場合が多いのではと

    感じている。

 

    遺族が遺品整理として処分するからであると言っても間違いはないだろう。

 

    京都大学名誉教授であり「第二芸術論」などを記したフランス文学者、

    桑原武夫の死後、蔵書一万冊が遺族により京都市図書館に寄贈された後、

    三〇年余りを経て保存場所を転々とし放置されたあと利用価値のない

    ものとされ廃棄されていたというニュースがあった。……(略)

 

等々、読んでゆくうちにホントに肌寒くなってくる。

桑原武夫の蔵書が廃棄処分なんて信じられないことだ。

まして一介のわが蔵書など推して知るべしであろう。

 

もはや、こうなったら<生前贈与?>を、どなたかと交わして、

わが本たちのお弔いをするしかない(笑)

 

「熊本県立図書館内田文庫」の9501冊は奇跡である、とも書かれている。

本棚そのままに寄贈した遺族と、そのまま登録し管理している図書館。

それが「熊本県立図書館内田文庫」であった。幸い哉。

 

同人の皆さまがたの作品に触れたかったが、次号にお預けしたい。

Fさん、ありがとうございました。

 

 

                               2019年11月10日発行

             編集人 伊藤一彦

             発行所 現代短歌・南の会

              頒価 1500円

 

 

    

    

 

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