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2019年12月25日 (水)

「COCOON」TANKA MAGAZINE 1SSUE 14

  いにしえの秋のあけぼの楓(ふう)の葉の小舟に乗りてさあ

  漕ぎ出でな

  申し訳なくいたたまれなくなりぬ「金融筋の人」と呼ばれて

  アイロンの余熱でシーツ仕上げいるごときに今日を働いており

       巻頭作品・大西淳子「湖底の声」32首より。

 

  クレープのように繊細なる君をこぼさぬようにちぎれぬように

  車でもいいのにあえて自転車の通勤を選ぶ自分が好きだ

            早川 晃央「夏から秋へ」より

 

  銃口をだれかに向けたことはなし向けたらわれは撃つのだろうか

  ふたたびを新人教師にならなくていいやすらぎにほんとやすらぐ

            大松 達知 「トリガー」より

 

  天体のような背中の大亀が作った影で眠る小魚

  学名はホモ・サピエンス通称は水槽叩く遠足児童

            渋谷 美穂 「博物館の魚」より

 

 

全88ページの中に時評あり、評論あり、同人歌集評あり、エッセイありと

盛沢山。同人は全国にかけての、現在29名。

大松達知が「第十三号批評会無かったの記」を執筆。そうすると、普段の号は

前号批評も入るのかしら。

読み応えのある同人誌である。

表紙の 「COCOON」TANKA MAGAZINE などの英文字を眺めていると、

一見して歌誌とは思えない斬新さである。

 

今号のわが一推し(笑)は、小島ゆかり質問の、

 「AKB48あまりにも遠すぎて何の感想もなし」REMIXを作るなら?

 

*君のする昨日見た夢のお話しは遠すぎて何の感想もなし 島本ちひろ(埼玉)

*中野駅徒歩十二年走っても遠すぎて何の感想もなし   伊藤 祐楓(茨木)

*そののちの福山雅治夫婦仲遠すぎて何の感想もなし   小島 なお(東京)

*体重計の目標目盛り60度遠すぎて何の感想もなし    山田 恵里(愛知)

*大叔母がよこす縁談 もうすでに遠すぎて何の感想もなし 有川知津子(福岡)

 

面白い試みというか、遊びである。

読んでいて愉しいのは何より。

「遠すぎて何の感想もなし」などとは、申しませぬ。

 

        2019年12月15日

        年間予約購読料 2000円

        一部定価     500円

        発行人 大松 達知

        編集  COCOONの会 編集委員

        編集協力 小島ゆかり

   

 

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