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2020年1月 7日 (火)

『海峡の光』辻 仁成 新潮文庫

少年時代「私(斉藤・主人公)」を虐めの標的にしていた花井が

私が看守として勤めている刑務所に入所して来た。

当時の花井は外面は優等生で、クラスメートたちの人望も厚かった。

しかし、花井の狡猾な、内面に潜む企みを見抜いていたのは「私」

だった。

 

   お前はお前らしさを見つけて、強くならなければ駄目だ。

 

19年前、函館桟橋で花井に言われた台詞だった。

その同じ言葉を仮出獄の花井に告げた「私」。

 

過去と現在、塀の外と塀の中、闇と光。

この『海峡の光』は、答えがない。無いというよりも

読者に委ねられているようだ。

花井が面会に来た母親に告げた言葉は意味深い。

 

   ねぇ母さん、世の中の外側にいられることの自由って

   分かるかい?

 

辻仁成さんの文章はどのページを開いても美しく抒情的である。

この書の先ず1行目からぐいぐいと作品の中にいざなう。

 

   陸(おか)に上がった後も海のことがいつまでも

   忘れられない。

 

 

          解説 江國 香織

         平成31年4月25日 13刷

           430円+税

 

 

*   *   *

コートを着て外出したら途中で放りだしたいくらいの暑さだった。

ヒートテックスのシャツなど着ていると、汗ばむ暑さ。

福岡・19℃。道理で暑い筈だ。

風に吹かれていると心地いいくらい。

満月4日前の月と伴走?しつつ帰宅。

 

 

   

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