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2020年3月26日 (木)

『愛の顚末』梯久美子 文春文庫 

12人の文学者を取り上げ、その愛の姿を追ったノンフィクション。

   小林多喜二ーーー恋と闘争

   三浦 綾子ーーー「氷点」と夫婦のきずな

   原  民喜ーーー「死と愛と孤独」の自画像

   中城ふみ子ーーー恋と死のうた

   宮  柊二ーーー戦場からの手紙

   吉野 せいーーー相克と和解

                 他

 

「あとがき」で書かれていた、著者・梯久美子さんのことばに、「短歌」での

作品と作者のことなどに思い至った。

 

   (略)作家と作品はまったく切り離して考えるべきだという人もいるが、

    少なくとも私は、彼/彼女がいかなる時代を生き、誰を愛して何に傷

    つき、どのようにして死んでいったのかを知りたく思う。(略)

 

本書の「解説」を、歌人の永田和宏さんが執筆していた。

永田さんもまた、作品と作者に触れて、下記のように記している。

 

    (略)私のやっている短歌という短詩型では、作者についての情報は、

     時に思いもかけない歌の背景を暗示することがあり、歌の理解が

     格段に深まることがある。常に作者の実生活がそのまま作品に表れて

     きているということはないのであって、そこには十分注意深くあるべき

     だが、作者の実生活に縛られるのではなくて、作者を知ることが歌の

     読みの深度を深めるのであれば、知るに越したことはない。(略)

 

読みすすめ、最後の章の「吉野せいーーー相克と和解」で、泣いてしまった。

この章を最後にもってきたのは正解?だったような。

梯さんの文体、好きだなぁ。

さらさらと読めてしまう文庫本なので、是非繙いてみてほしい。

 

           解説 永田 和宏

           2018年11月10日 第1刷

             定価 720円+税

 

            

     

   

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