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2020年3月17日 (火)

『山猫珈琲』上・下巻 湊かなえ 双葉文庫 

某日、近くの書店に行くとお子様たちが多い。

家族連れの方々も多いのが目につく。隣のスペースの喫茶も満席みたいだ。

そうか、こんな時こそ本を読むべきなんだな、と思う。

 

あれこれ物色しているうちに『山猫珈琲』が目にとまる。

どうも「猫」にわが目は反応したようだ。

 

上・下巻購入した。

そして2冊とも、もう読んでしまった。

タイトルに惹かれて買ったのだが「猫」のエッセイはあまりなかった。

(かわりに、カワイイ猫のイラストがあちこちに描かれてあった。)

好きなものは「山」・「猫」・「珈琲」ということで『山猫珈琲』にしたみたい。

「山」のエッセイ、そして著者が在住する淡路島の風景や「おいしいもの」が

沢山出てくる。

 

そう、湊かなえさんは、2008年『告白』の小説の刊行によって、2009年に

「本屋大賞」を受賞して、翌年にはその小説が映画化されたことだ。

小説家としてデビューする前には脚本を書き、応募している。そのシナリオを

書いていた頃の決意が凄まじい ?

                   地方在住のまま、必ず成功してやる ! と誓う



などと、赤裸々に書かれている。

上巻の第三部の「デビュー前夜」あたりから一気に読んだ。

やはり何かを極めようとする人の〈志〉はスゴイ。

 

     (略)たとえば、1度目の流産より2度目の流産の方が早く

     立ち直れるのは、心が強くなったからではなく、心の一部を

     石化させることを覚えたからだと思うのです。心の大部分が

     石化してしまう前に、何か心を表現できることをしなければ、

     その思いをもって、書くことに挑戦することにしました。(略)

 

この部分がいちばん感動したところ。

「心の石化」なんて発想は流石、作家サン。

心が石化してしまわないうちに、わたしも短歌を作らなくちゃ。

 

 

            上・下巻ともに、2019年12月15日 第一刷発行

               〃     600円+税

 

     

 

 

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