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2020年4月19日 (日)

『耳をすます旅人』友部正人 水声社

この2・3日、書棚の古い本を読んでいる。

たぶん、わたしが一生かかっても遺された本は読みきれないだろう。

 

今日は友部正人の『耳をすます旅人』。

「旅する詩人の記録」と銘打たれたこの書の帯には「日本各地で出会った風の音、

雨の音、海の音、古い友人とのおしゃべり。全篇から音楽の聴こえてくる旅の連作

エッセイ集。(略)」の惹句が記されている。


この書の終りの方に「福岡」の章がある。

 

    那加川(正しくは、那珂川)に架かったであい橋、その川の畔の貴賓館、

    都心の肺のような中央公園、そこから見上げたアクロス福岡というビル、

    なんだか別の街に来たみたいだった。そのビルを中央公園から見上げると

    小山のような形をしていた。どのテラスにも植物があふれ、テラスとテラスを

    結ぶ階段が山道のように、頂上までジグザグに続いていた。そこを登って

    行く人たちを遠くから見ていたら、山登りしているみたいでとてもおもしろ

    かった。(略)

 

 

そう、天神中央公園の向こうにはアクロス福岡のビルが聳えている。

緑の樹木を纏って。

2019年、春から夏、そして秋にかけて、わたしはその景色を100日ばかり

10階の窓から眺めていた。時には8階の窓から。

もう随分むかしのような気がしている。

 

 

         写真 小野由美子

        1999年12月8日発行

           1800円+税

 

 

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