« 歌集『リリカル・アンドロイド』荻原裕幸 書肆侃侃房 | トップページ | 映画「ステップ」山田孝之主演 »

2020年7月25日 (土)

『父 Mon Pere』 辻 仁成  集英社文庫

日本人の両親のもと、フランスで誕生した「ぼく」(充路 ジュール)は、

ママを交通事故で亡くして以来。ず~っとパパと2人っきりでパリで生きてきた。

 

ぼくはパパの42歳の時の子だから、今年パパは72歳ということになる。

時々パパは健忘症状が出て「充路、迎えに来てもらえないか?すまないが、ここが

どこだか分からない。」と電話して来る。

 

恋人のリリーは、死なない虫の研究をしている。

強制的な劣悪な環境下に置いて、クリプトビオシスを乾眠させる。そして、蘇生させる。

 

リリーと知り合ったのは、彼女が25歳の時、いきなりぼくの前に現れた。

ぼくのママとと彼女のお父さんが同乗して亡くなった交通事故のことを訊くためだ。

(このあたりから、やおらミステリアスな様相が……)

 

 

       死者は結局、生きている者たちの中で神格化される。

       そして、生き続けるのだ。

 

       人間はいろいろなものを乗り越えながら生きていくのよ。

 

 

いたるところに、上記のような魔法のことばが綴られている。

『白仏』は、辻さんの小説の中でも断トツに好きなのだが、この『父』も良い。

効果的に、伏線が敷かれており、読み応えのある小説だった。

 

さりげなく置かれた「オリジンはどこ?」とか、

「交接」のことばに、辻流を感じた。

 

                      解説 岩城 けい

                      2020年7月25日  第1刷

                       560円+税

 

 

 🌂 🌂

本日は「夏の大祭」の地禄神社。

これから形代を納めに行ってまいります。

 

             

 

 

 

« 歌集『リリカル・アンドロイド』荻原裕幸 書肆侃侃房 | トップページ | 映画「ステップ」山田孝之主演 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事