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2020年9月 5日 (土)

『さよならさんかく』秦夕美句集 ふらんす堂

いつもながらの秦夕美さんの美意識というかセンスの冴えた装幀に成る句集。

「いつも私の遊びを美しい形にしてくれる、ふらんす堂さん、……」とも記している。

 

     本の形は柩に似せて横長。

     目次は四季でも年代順でもつまらないから、

     「あさ」「ひる」「ゆふ」「よは」と一日の時間軸にする。

                               「あとがき」より

 

 

     魂はかるくてぢやうぶ玉簾         「あさ」

     朝顔やはたまた後世といふ時空       「〃」

     ながらへど何故に聞こえぬ虹の音      「ひる」

     もう比べないでと墓の赤とんぼ       「〃」

     天涯や八月の雲あそばせて         「ゆふ」

     お迎へがきたか微風のさるすべり      「〃」

     来るのかい夏の大三角つれて        「〃」

     青葉木莵ほろりと夢のこぼれけり      「よは」

     いたはられいたぶられをり夏の月      「〃」

     おいで雲おいであなたも月の塔       「〃」

 

10句選んだが、どれもどれも好きな句である。

7句目の「来るのかい夏の大三角つれて」は、当ブログで以前も紹介した句。

1句目の「玉簾」の句にちなんで散歩の時に写したタマスダレの写真を、

    『さよならさんかく』のお祝いに掲げたい。

 

     秦さん、「またきてしかく」があってもいいと思うわ。  miyoko

 

     Photo_20200905091401

        魂はかるくてぢやうぶ玉簾      夕美

 

 

            2020年9月1日 初版発行

               2200円+税

            

 

 

 

 

 

     

                       

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