文化・芸術

2017年2月15日 (水)

生誕140年 吉田 博 展    久留米市美術館

1876年~1950年の吉田博、生誕140年を祝い、代表作を含む230点を展示。

吉田博は福岡県久留米市生まれ。少年時代を浮羽郡吉井町にて過ごす。



明治27(1894)年に上京。明治32(1899)年には、片道切符で渡米。

デトロイト美術舘で作品を発表して成功をおさめる。………と、

経歴をなぞってみたものの、全く吉田博のことを今迄知らなかった。





今回、230点からなる展示作品を観賞。

明治の頃の日本の風景を描いた水彩画、雄大な高山を描いた油彩画。

そして、大正後期からの木版画など。6会場(室)に渡り、圧巻であった。





「絵の鬼」と呼ばれた吉田博。その描く絵は自然への真摯なまなざしが

感じられ、日本的情緒が香りたつ。遠い記憶の底をゆさぶるような明治の

日本の風景だった。






わたしは木版画の「帆船」の前に立ち止まった。

立ち止まり、そこから動けないくらいに魅了された。

「帆船 朝日」・「帆船 日中」・「帆船 夕日」と3枚の絵が並べて、掲げられて

いた。3枚とも同じ構図なのだが、光のグラデーションによって全く違う世界を

見るようでもあった。それは、緻密な計算のもとでのものか。或いは吉田博の

感性のなせる技なのか……そんなことを思いながら、立ち去り難かった。






出身地・久留米では初の回顧展というだけあって、入館者がとても多かった。

今日はお天気もよくて、コートを着ていると汗ばむほどだった。



      [前期] 2017年2月4日~26日  [後期]2月28日~3月20日

       福岡県久留米市野中町1015  会場 久留米市美術館

                   

2016年11月17日 (木)

第20回 全九州短歌大会  日本歌人クラブ

平成28年11月16日、鹿児島市の「城山観光ホテル」に於いて

第20回 全九州短歌大会が開催された。

出詠歌 1004首、入賞作品は「鹿児島県知事賞」をはじめ

「日本歌人クラブ賞」・「鹿児島県議会議長賞」・「鹿児島県教育委員会賞」・

「日本歌人クラブ九州ブロック賞」・など26首。

他に選者賞、優秀賞、佳作賞など。

    鹿児島県知事賞

    干せばすぐ乾く晴れ間がうれしくてざぶざぶ洗ふシャツも小犬も

                                 大分 近田千津子

 

当日は、平成28年度の日本歌人クラブ九州ブロックの優良歌集の表彰も

行われた。





     優良歌集

     『種子島の青』    吉原美保子著   鹿児島県

     『花の待針』      古賀 美智著   宮崎県



  

講演は、三枝昻之氏の「わが命惜しー長塚節再発見」。

鋭敏な自然描写について歌をあげて語られ、資料には「描写の鋭敏さ+

命の意識」の籠った歌なども取り上げていた。

自然との向き合いかたついて示唆を受けた。


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鹿児島の街には市電が走っている。

今回、気づいたのだが、西郷隆盛の銅像をはじめとして、

街のいたるところに銅像が建っていること、だった。

 

2016年10月28日 (金)

草間彌生さんのドットの世界

文化勲章受賞の発表があった。

草間彌生さん、87歳。

今なお現役でお仕事をなさっている。

ほんとうにスゴイ。




草間さんのドットの世界を知ったのは他ならぬカルチャー教室だった。

2011年8月9日、出された歌によって。





        真っ赤なる和紙に顔採塗りまくり草間彌生を思いて描く

                                   坂元 元子




「草間彌生」の熱烈なファンの彼女が滔滔と語るのを皆で聴き入った。

それから、彼女の導きによって草間彌生の大胆な極彩色のドット(水玉)の

世界を覗いた。


 

        「芸術は人生、命の全て」なんて、すてきな言葉だ。 


そういえば、岡井隆さんは文化功労者受賞。

おめでとうございます。

2016年6月30日 (木)

まいにち文化祭 2016 久留米毎日文化教室

久留米市一番街ギャラリーにて、久留米毎日文化教室の

合同発表会&合同作品展が7月5日〜10日に開催される。




今回、短歌教室は、冊子をはじめて作った。

皆さんには、短歌5首とエッセイを書いて頂いた。

作品集の名前は「ちっご川」。

展示期間中には、冊子を無料配布する予定。

興味のあるかたは会場にお出掛けください。




なお、7月10日(日曜日)には、多目的室・特設ステージにて、フラダンスや

日本舞踊、フラメンコ、カラオケ、ハーモニカなどの音楽と踊りがあります。

入場無料です。

2015年11月 4日 (水)

「九大短歌」 文学館倶楽部 №21

福岡市文学館発行の「文学館倶楽部」 №21 が届いた。

今号の「クローズアップ」には「九大短歌」のことが掲載されている。



7月に「九大短歌」の歌会にお邪魔して見学、山下翔さんに取材したもの。



この「クローズアップ」では、「九大短歌」の第二号の作品から、

真崎愛・凌若菜・南健太郎・松本里佳子・山下翔さんらの作品を

各1首ずつ紹介している。




この冊子は福岡市総合図書館・福岡市赤煉瓦文化館で頂けますので、

どうぞ、機会があれば、ご覧になってください。







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夜明け前の東の空の、星が美しかった。

下(地上に近い)の方から、金星・木星・三日月と斜めに並んでいた。

金星のそばには火星が寄り添うように輝いていた。

朝 6 時前のウォーキングも、このようなご褒美がある。

2015年7月10日 (金)

島尾敏雄旧居・文学碑

『死の棘』や『日の移ろい』を執筆した場所、島尾敏雄の家(県立図書館奄美分館 

分館長住宅)が解体される動き云々ということを新聞で知ったのは、2008年だった。

「傷みがひどく、維持管理が心配」という理由だったらしいが、島尾敏雄と交流の

あった5つの文化団体が存続の要望書を出した。

そんな働きかけもあって住宅は保存された。ほっと胸をなでおろしたのは、5つの

文化団体は勿論だが、島尾敏雄の研究者やわたしのような島尾に関心がある者に

とって奄美市の英断に拍手を送りたい。2007年に亡くなった夫人のミホさんも、

「あの家は残してほしい」(朝日新聞 2008年9月2日 夕刊)と、言っていたそうだ。




古見本通りの道路標識に「島尾敏雄旧居」の文字を見つける。
バスを降りて、歩く。小さな橋(上緑橋)を渡るとほどなく左手に見えた。
まず、文学碑を見学。碑文は島尾敏雄直筆の色紙の一文より。

        病める葦も折らず、けぶる燈心も消さない

                 (「旧約聖書」第ニイザヤ書の句)



道路から入ると、旧居の勝手口の方が表になり、その庭に文学碑が建って
いる感じだが、もともとの玄関は裏側にある。
新しい道路が出来たために、道路から入ると裏口(勝手口)がまず見える。
平屋建ての居室4室くらいか。


島尾敏雄は、昭和40年から50年4月までここで暮らしたのだ。
玄関の屋根を覆いかぶさるように、鼠黐の木が青い実をつけていた。
そして、玄関の門口にはクロトンの木。
そういえば、文学碑の建っていた庭には大きなゴムの木が立っていた。


奄美大島は鹿児島県だけど、植物などほとんど沖縄に近い。
前日に行った加計呂麻島でもゆうな(オオハマボウ)の花が目についた。





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鹿児島県立奄美図書館へも立ち寄った。
この図書館の1階には「島尾敏雄記念室」がある。
当時の書斎が再現されており、開架式の書棚には多くの著書が並んでいた。
直接手に取って、見たり読んだり出来るのは、なんとも羨ましい。





              と、いうことで、奄美大島の旅は、あと1回でおしまいに…

2015年7月 8日 (水)

田中一村記念美術館

         いま私が、この南の島へ来ているのは、歓呼の声に送られて

         きているのでもなければ、人生修業や絵の勉強にきているのでも
         
         ありません。私の絵かきとしての、生涯の最後を飾る絵をかくために
 
         きていることがはっきりしました。

                         (昭和43年3月、田中一村の知人あての手紙)





昭和33年、50歳で奄美大島に移住。
つむぎ工場で働いて生計を立て、朽ちかけた家に住んで自炊をしながら一村は
ひとりその目的に向かって、仕事を進めていた。





亜熱帯の植物や動物を描いた一村の絵を一度は見た方も多いだろう。


華麗で奔放で、「ビロウとアカショウビン」や「アダンの木」、あるいは「ダチュラと
アカショウビン」などを描いた南国性の色彩が強烈な光を放っていた…。



        私の絵の最終決定版の絵がヒューマニティであろうが、悪魔的で
       
        あろうが、画の正道であるとも邪道であるとも何と批評されても私は

        満足なのです。それは見せる為に描いたのではなく、私の良心を納得

        させる為にやったのですから…
                                    (田中一村のことば)






清貧で孤高な生き方を通した一村は、ひとり夕食の準備をしている時、心不全で倒れ
誰にも看取られることなく69歳の生涯を閉じた。



田中一村記念美術館は笠利町の奄美パークに隣接している。
奄美空港からほど近く、車だと5分くらいだろうか。


この記念館の建物そして企画・設計の斬新さ。カメラを向けたくなる
水の構図であった。水の上に建物が建っている。




奄美パークではちょうど龍郷町島唄保存会の方たちの催しがあり、サンシンに
合わせて島唄の「上がる日ぬか春加耶節」が響きわたっていた。



11人の子どもたちが舞台に並び、島唄を張りのある声でうたうのを聴きながら
パーク内で昼食の鶏飯(けいはん)セットを頂いた。奄美大島の郷土料理?
ちなみに福岡で食べる鯛茶漬けみたいな感じ。
ご飯茶碗に3分の1くらいご飯をつぎ、鶏肉・錦糸卵・椎茸・漬物・ネギ・刻み海苔・
紅生姜をのせ、その上から鶏ガラスープを注いで食べる。


鯛茶漬けも好きだが。この鶏飯も結構好き。




そんなこんなで奄美大島への旅は、まだまだつづく……


 

2015年6月18日 (木)

「赤煉瓦夜話」 福岡市文学館

福岡市赤煉瓦文化館の1階にて催される「赤煉瓦夜話」も今回で61回目。

月の第3週の木曜日、18時30分~20時に、講師のお話。

毎回いろいろな分野の方の専門的なお話を聴く。
            (今後のスケジュールは文学館にお問い合わせを。)

出席者はいつも中高年のかたが多い。


今回は「猫本屋はじめました」の講演で、先頃同じ著書名で刊行した書肆吾輩堂の

大久保京さん。



70名先着順だが、予想通り満席だった。17時過ぎに行ったのだがすでに皆さん

並んでいて、私は整理券は15番目だった。そして、今回は圧倒的に女性が多い。

若いかたも多かったように思ったのだが…




猫本屋をはじめた経緯や、猫本のこと。古書のことなどあっというまの1時間半だった。

江戸時代にはすでに猫は愛玩用であったとか、古代エジプトでは猫は神様だったとか、


宮沢賢治は「猫嫌い」?の筈という話に聴き入った。


大久保京さんがお薦めの猫本は、内田百閒の『ノラや』だとか。(そうかぁ~)




昨夜に続く、「ネコ・猫・ねこ」の夜であった。


2015年5月18日 (月)

「地獄のオルフェウス」 出演 大竹しのぶ・三浦春馬 他

テネシー・ウィリアムズ作。演出はフィリップ・ブリ―ン。

大竹しのぶの演技に固唾を呑んだ。時に笑わせ、迫真の演技に

3時間ほど、酔わされた。



アメリカ南部の小さな町での物語り。
用品雑貨店を営む女主人(大竹しのぶ)、のもとに、蛇革のジャケットを着て、
ギターを持った青年(三浦春馬)が現れる。



女主人には亭主がいるのだが、病気で2階に臥せている。
青年をその店に雇い、夫に内緒で小部屋に住まわせる。



演出のフィリップ・ブリーンは、「偽らざる愛の本質」という言葉を残している。
その愛はどのような結果となるか…


ハラハラドキドキの3時間だった。




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土日公演限定で当日券が売りだされるということで、日曜日(17日)、
Bunkamura シアターコク―ンに行った。10時半に着いたら誰も並んで
いなくて、売り出しは、12時半という貼り紙がしている。出直して12時過ぎに
行ったら、すでに5人並んでいる。


なかの1人はもう2回も3回も観ているらしい。わたしの前の親娘は金曜日の

チケットを買っているのだが、当日券でいい席があるかも知れないということで

並んでいた。わたしのすぐ後ろのかたは、北陸から新幹線に乗って来たそうな。

大竹しのぶのファンや三浦春馬のファンだ。


チケットが取れた時の嬉しさ。だって  I(アイ)列の1番だった。
土曜日に上京したのだが、日曜日は、素晴らしい、東京の休日になった。



余韻をたのしみながら出ると渋谷の街は「第18回 渋谷・鹿児島 おはら祭」も
終わり、JRの「ハチ公前改札」は、長蛇の列。



帰りの飛行機の時間を気にしながら、羽田へ。




ちなみにこの東京公演は5月31日まで。23・24日、30・31日は当日券の発売があるらしい。




2015年5月 6日 (水)

「画家の素顔」 石橋美術館

久留米の石橋美術館で、パレットと自画像でさぐる「画家の素顔」が開催されて
いるので出掛けた。(7月5日まで開催)

青木繁・坂本繁二郎は今回展示の59名のなかに勿論入っているが、
普段なかなか観ることのできない洋画家の作品も展示されていた。
例えば三岸節子の絵にようやく逢えた。

今回の特色は「パレット」そして、「自画像」に焦点をあてていることだ。


藤田嗣治の自画像は今回のポスターにも印刷されていたが、日本語で右上に大きく
「西暦千八百八拾六年生江戸川大曲」と書かれている。
黒縁の丸メガネ、前髪をまっすぐ揃えたあたりがなんとも藤田嗣治らしい。


そして、パレットはそれぞれの個性というか、こうしてみるとパレットも美術品だ。
絵の具がてんこ盛りされ、山をなし、そこに画家自らが絵を描いているのもある。
まさに、芸術品。



香月泰男のパレットは1967年頃のらしいが、やはり、シベリア抑留作品
〈シベリア・シリーズ〉が思われてならない。あの作品をもう一度観たい。
(1990年4月に福岡県立美術館にて観賞)
今回は「道路標識のある風景」1点のみの展示だった。





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文化センターは「バラフェア」の開催中で大変な人出。
バラの花も見頃で、デジカメ片手に大勢の人が…

美術館前バラ園で「ローズガーデンコンサート」があり、ピアノとチェロの
演奏にしばし聴き入った。



うららかな連休最後の日であった。

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