映画・テレビ

2019年10月14日 (月)

映画「人間失格 太宰治と3人の女たち」蜷川実花監督

小栗旬演ずる太宰治を観たくて行った。

3人の女優さんたちの演技に見惚れる。

やっぱり正妻役の宮沢りえは巧い。正妻という立場を見事に演じ

きっていた。(ますます、すてきな女優さんになっている。)

 

       「お父ちゃまはお仕事なの。」

       「お父ちゃまは女のひととお仕事なの?」

 

幼い子どもの発する言葉は無邪気ではあるが、残酷だ。

 

太田静子役を沢尻エリカ。欲しかった太宰の子どもを産む。

太宰の一字を頂いて「治子」と名前を付けて貰えたのは認知の証?。

 

愛人の山崎富栄役に二階堂ふみ。彼女は太宰と共に入水自殺という

死を決行したのだから、勝ち負けでいうと「勝」ったのだろうか?

 

ともあれ、支離滅裂な男、破滅型の男が太宰治だ。

 

      大丈夫、君は僕が好きだよ。

 

なんて、云う男が太宰なのだ。嗚呼……

 

 

*  *  *

夜、珍しくミルで緑茶を粉砕して、お抹茶にしていただく。

「銀のすぷーん」のクッキーには紅茶の方が良かったのだが、

今夜は緑茶が飲みたかった。

 

 

 

2019年7月21日 (日)

NHKテレビ「NHK短歌」

新講師になってから初めて観た「NHK短歌」。

本日は大辻隆弘さんだった。司会は、有森也美さん、ゲストは、はしのえみさん。

題詠「紺」。一位から三位までの発表があった。

 

  人間に生産性という言葉向けられており紺色の空  松本千恵乃

 

本日二位の歌。作者がその「生産性という言葉向けられており」に対して

答え(結論)をあからさまにしていない。言わなくても、作者の思いは

読者にはそれとなく伝わってくる。結句の「紺色の空」への展開も妙味。

これはわたしの鑑賞。(結句は一桝アキかどうか失念)

 

大辻さんの評は歯切れよく、それでいて丁寧でわかりやすい。

下世話なことだが、大辻さんのジャケットの色とネクタイの若々しさを称賛(笑)

 

 

☆    ☆    ☆

4か月分くらい溜った古新聞などを廃品回収に出すために早起き。

今日出さないことには、わがやの寝室は満杯状態。

あいにくの大雨でどうなることかと思ったが、出すには出せてほっと一息。

 

福岡市緊急情報が早朝4時過ぎから何度も入る。

6時台に5本も入り、博多区も警戒レベル3とのこと。

 

今日は溜まりに溜っている「積ん読」をなんとかしよう。

先ずは歌集から読むことに‥‥

 

 

 

2019年7月 8日 (月)

映画「作兵衛さんと日本を掘る」KBCシネマ

2011年5月25日、炭坑夫だった山本作兵衛さんの描いた記録画と日記697点が

日本初のユネスコ世界記録遺産になった。作兵衛さんは60歳も半ばを過ぎて

から絵筆を握り、専門的な絵の教育は一度も受けていないそうだ。

 

しかし、作兵衛さんの絵は人の心を捉えて離さない。

たとえば画家の菊畑茂久馬氏は「じっと見ていたら涙が出てた。僕の画業から

くる状況がはねかえって、いよいよもって作兵衛さんがいわば僕の画業の前に、

仁王さまみたいに立ちふさがった」と語り、29歳の時から20年間描くことが

出来なかったと。

 

記録作家の上野英信氏が作兵衛さんの絵を世に出すことに力を尽くした一人

だろう。そのご長男の朱(あかし)氏が語った「筑豊」。本籍をどこに置くかの

話は英信氏の志を継ぐ気魄?が籠っていた。「筑豊文庫」の開設宣言の看板を

大切に保管していたこと、心に残った。

 

作兵衛さんの絵を中心に映画は進行。

画面いっぱいに映し出される坑夫の姿、ことにズームアップした時の女坑夫の

まなざし。命を賭けて働いている眼であり、美しかった。

 

1984年12月19日、作兵衛さんは92歳の命を閉じた。

「数百年後の子孫のため明治、大正、昭和のヤマはこうだったといっておきた

かった」と、話していた作兵衛さん。そして、晩年に残した言葉。

 

    けっきよく、変わったのは、ほんの表面だけであって、底のほうは

    少しも変わらなかったのではないでしょうか。日本の炭鉱はそのまま

    日本という国の縮図のように思われて、胸がいっぱいになります。

 

本日は監督・熊谷博子さんの挨拶とサイン会があった。

この映画の制作に7年をかけた(かかった)と語っていた。

映画を作る間、監督の心の奥底にあった怒り。

 

    炭鉱も原発も同じエネルギー産業で、末端の労働の構造は変わらない。

    国策でもある。(略)

 

 

この映画を多くの人に観てほしい。

ことに若い人々に観てほしい。

作兵衛さんのうたっていた「ゴットン節」が、いまも、内耳に残っている。

 

     七つ八つかーら

     カンテラー提ーげて

     坑内下がるもー

     親の罰

     ハー ゴットン

 

 

2019年6月 9日 (日)

映画「長いお別れ」 監督 中野量太

2007年より2013年冬頃までの一家族の物語。

父親(山崎努)、その妻・母親(松原智恵子)、長女(竹内結子)、次女(蒼井優)が

好演している。ことに父親役の山崎努は細かいところまで認知症役を演じていて見事。

 

父の70歳の誕生パーティを、母の提案で家族揃ってお祝いをしようというところから物語は

始まるのだが、長女はアメリカ暮らし、次女は仕事も恋もうまくゆかず、悩んでいる。

そんな中、どうにか都合をつけて揃ったが、母の口から父の認知症の症状のことが告げられる。

 

父は中学校の校長も務めたほどの教育者、書斎ではいつも本を読んでいる。

ある日は句集か。「万緑の中や吾子の歯生え初むる」草田男の句が出てきた。

『相対性理論』などの厳めしい読書も。しかし本を逆さまにして読んでいる。

父は時々「帰る」と言って家を出ていく。

帰るってどこに? 「ここがあなたのおうちよ」

 

家族とは、生きるとは、そして、介護の問題など、含みの多くある映画であった。

「長いお別れ」とは、少しずつ記憶をなくし、忘れていくことからの謂でもある。

 

          この頃はね、いろんなことが遠いんだよね。

          遠いっていうのは、さみしいんだよね。

 

こんな科白が耳から離れない。

 

 

☆   ☆   ☆

つれあいを奮励 ? するために、大分からMさんが(大学時代の友人)来福した。

わざわざ会いに来てくれたこと、感謝の思いでいっぱい。

 

                     

 

2019年5月13日 (月)

映画「愛がなんだ」 原作・角田光代

監督・今泉力哉。

28歳のOL・テルコ(岸井ゆきの)は、マモル(成田凌)ひとすじ。

いつ、どのような時と場所にいてもマモルから呼び出しがかかれば

何はさておいても駆けつけてしまう。

しかし、マモルは気が向かない時は追い帰してしまったりする。

それでもテルコは懲りずにマモルにひとすじなのだ。

 

テルコの心情は多少理解できるが、わたしはテルコにはなれない。

人間としてダメな奴に向き合って、時間も体力も消耗するのはまっぴらだ。

(だけど、男女の関係って理性では割り切れないところがあるのかしらん。)

 

それにしても、こんなマモルのような男は大嫌いだ。

 

擦った揉んだの挙句、

ハッピーエンド……(とは、言えないな。)

 

ほんとうに「愛がなんだ」よ。

 

 

 

2019年5月 7日 (火)

映画「ヒトラーVS.ピカソ」 KBCシネマ

副題「奪われた名画のゆくえ」を観に行った。

ナチスが美術品の略奪を繰り返していた1937年、

〈闇の美術史〉とでもいえそうな暗部を掘り起こしている力作。

権力の怖さ、権力によって芸術をも略奪してしまうヒトラー。

ドキュメンタリーの迫力に、改めて、戦争とは、政治とは、権力とは

について考えさせられた。

 

   飾るために描くのではない。

   絵は楯にも矛にもなる。

   戦うための手段だーー

            パブロ・ピカソ

 

   無関心は許されない。

   芸術家はこの世の悲劇や喜びに

   敏感な政治家であるべきだ。

            パブロ・ピカソ




                     字幕監修 中野京子

 

☆   ☆   ☆

KBCシネマに行く途中の街路樹にベニバナトチノキ(紅花栃の木)の花が

2本あった。紅色の花を掲げていた。

そういえば、香椎の千早並木通り(筑邦銀行前辺り)のベニバナトチノキも

今頃、満開のことだろう。

 

そして、ヒトツバタゴ(異名・なんじゃもんじゃ)の真っ白い花、

その花を仰ぐことができたのも幸いであった。よき日かな。

 

 

 

 

 

 

 

2019年4月24日 (水)

テレビ NHKBSプレミアム「平成万葉集 女と男」

21時から22時30分までテレビの前に。

第2回目の今夜は「女と男」だった。

どんな構成になっているのかと、興味津々で視聴。


先ず、浅羽佐和子さんや野口あや子さんの短歌の紹介があった。

「モモカとヒロキ」のモモカは吉村桃香さんだった。短歌甲子園で

知りあった2人が遠距離恋愛の末に、桃香さんが仙台に移住、そして

結婚している。桃香さんには福岡で2度ほど歌会で同席したことが

あるが、お元気な様子。「今は生活…」と呟かれた言葉が耳に残った。

 

山川藍さんがドラムを叩いていたのには驚いた。

ユニークな歌を作る人だが、猫にブラシを掛けている姿が

可愛いかった。


この「平成万葉集」の監修 ?  は、永田和宏さんだったと思うが、

短歌を朗読している生田斗真・吉岡里帆さんが適役だった。

そして、何より今回は、永田和宏・河野裕子さんお二人の歌に

胸が詰まった。

 

平成の30年を短歌で辿る、次回は5月1日(水)の同時間に放映。

タイトルは「この国に生きる」。

「歌の季節は終わることはない」って……

 

☆    ☆    ☆

昨日、春日でアオダモの花を初めて見た。

モクセイ科トネリコ属。シマトネリコは常緑樹だけど

アオダモは落葉樹。真っ白い花が涼しげであった。

5〜7年に1度しか咲かない花らしいので、今年見ることが

できたのは幸運。

5〜7年後も生きていれば、あの場所に行ってみるつもり、

などと果敢無いことを思ったりしている。

 

 

 

2019年4月10日 (水)

「チコちゃんに叱られる!」 NHKテレビ

昨日の歌会で、「チコちゃんに叱られた気がする」という言葉があった。

わたしは「チコちゃん」って、お孫さんのことかしら ?

それにしても「チコちゃん」と作者の関係は?  などと思いながら話していたら、みんなが

くすくす笑う。

え〜っ、なんなの ?  

知らなかったのはわたし一人くらいで、皆さんご存知だった。




NHKテレビで放映している番組で「チコちゃん」がいろいろな質問に答えてくれる

そうだ。普段わたしたちがあまり気にもとめないようなことを正確 ? に、それはどういうことか

教えてくれるらしい。(「らしい」と言うのも、まだ1度も観たことがないので…)

 

ちなみに先週のテレビ番組を調べると、金曜日の夜7時57分から放映していた。

        夜はどうして暗いの?

      「愛想笑い」って何?

                  握りずしはなぜ2つ?

 

などの答えをチコちゃんが教えてくれたのだろう。

あの「ボーっと生きてんじゃねーよ」は、チコちゃんが発信源だったのかしら。

「ボーっと生きてる」わたしには、世の中知らないことばかり‥‥

 

 

 

 

 

2019年3月31日 (日)

映画「金子文子と朴烈」 KBCシネマ

金子文子は、明治37年生まれ。

朴烈(パク・ヨル)の詩に感銘を受け、以来無政府主義者の同志として、行動を共にし、同棲をする。

関東大震災の時、大逆罪に問われ、検挙される。

 

映画は、文子と朴烈のなれそめから、獄中での二人の闘争を描く。

獄舎で執筆された文子の「何が私をかうさせたか」。

    二人の信ずるものが同じであったこと。

    二人の絆は永遠のものだったこと。

そのことが胸を打つ映画であった。

 

 

瀬戸内晴美の『余白の春』を思い出した。

そういえば、福島泰樹さんが『現代短歌』(2018年8月号)で、金子文子のことを詠んでいた。

「うたで描くエポック 大正行進曲 *二十六章」。

 

 

      獄中手記『何が私をかうさせたか』金子文子

    父そして母に捨てられ赤貧の 猿轡(さるぐつわ)され幼女ながらに

    幼女ながらにわが身を呪うことあまた通信簿さえ書いてもらえぬ

    貧しさは社会機構のゆえなるといとけなき身の本より学ぶ

    朝鮮人の虐げられた境遇をわが身のことと思い初めしよ

                    赤貧の歌   福島 泰樹

 

 

*   *   *

昨日(30日)は、第24回「さくらを見る&飲む会」だった。

寒さにめげず、花を仰ぎ、且つ大いに呑んだ。

元気であれば、また、来年 ! !

 

  

 

 

2019年3月 9日 (土)

映画「ねことじいちゃん」 監督・岩合光昭

やっぱり観に行きましたよ。

先日、上映時間ギリギリに行ったら満員で入れなかった映画。

そんなに、観る人が多いとは思わなかった。


今回は、ゆったり時間をみて行ったら良い席だった。

立川志の輔の「じいちゃん」は、じいちゃんになりきっていた。

主演は猫の「タマ」。ずんぐりむっくりのタマの歩く姿も、走る姿も、その眼の

動きも、ネコ好きにはたまらない。(笑)


若い医師役の柄本佑は気になる俳優さん。

なんか、惹かれる。これってなんなのだろう。


初監督の岩合光昭さんは、ネコを撮らせたら最高。

ネコ好きのかたも、そうでないかたも、ご覧あれ。


     

映画を観終わって、何気に8階のMARUZENへ。

詩歌コーナーで、「愚かさを持つ全ての人たちへ。」の惹句の帯に

吸い寄せられて、〈お買い上げ〉(笑)してしまった入門書。

『生き抜くための俳句塾』(北大路翼 左右社 2019年3月15日 第一刷発行)



          お月さん俺の遊びは綺麗かい   北大路翼

          
          名言 ?

                      「うまいというのは批判するときに使う。」




          「俺が残せるのは俳句だけだ。

           だったら俺の俳句のすべてをさらけだしてやる。」



          「俳句は作者そのものなんだよ。」



「本書は俺の遺書である。」 と記す。 嗚呼 ! !

 

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