映画・テレビ

2017年2月 1日 (水)

ハートネットTV 「歌舞伎町の俳句集団」  NHK Eテレ

「歌舞伎町の俳句集団」を視聴した。

歌舞伎町俳句一家、その名前は「屍派」。



ぎりぎりのところで生きている人たち。

その人たちの生の確認でもある「俳句」。

俳句を作ることによって、ダメである自分自身が救われる、

とも語るのを聴いていると、あぁ、わたしとおんなじだな、と共感する。




境涯は多少違えど、自分自身が救われたいのだ。わたしも。

あるがままの自分でいたい、とも思う。(なかなか難しいことだが……)


       俺のやうだよ雪になりきれない雨は   北大路翼

       蒲公英は倒れてゐることが多い     五十嵐筝曲

       雑踏の中にざくざく在る孤独            白熊 左愉

       ライオンを愛したくても檻の中       咲良あぽろ

       君が死ぬ金魚じゃないから流せない   一本足 







みんな何かを抱えて生きている。

その何かをもひっくるめて、受け入れてくれる。

       居場所ならここにあったよ歌舞伎町


それが「屍派」なのか。

主宰の北大路翼なのか。





翼の〈翼〉はだいじょうぶ、か?

きさらぎのつめたい空を翔ぶことができる、のか?

翔び続けることができる、のか?

☆     ☆

なお、北大路翼の句集『天使の涎』の紹介を拙ブログ「暦日夕焼け通信」の

2016年7月1日に掲載している。




               

2017年1月29日 (日)

映画「沈黙ーサイレンス」 原作 遠藤周作

マーティン・スコセッシ監督、遠藤周作原作の映画。

キリシタン弾圧が厳しかった17世紀。

江戸幕府による取り締まりは目を覆いたくなるような、残忍なものであった。

そんな時代にも関わらず、ひそかに「隠れて祈る」ひとたちは居た。

隠れキリシタンの里でもある長崎の外海町。

そして,五島。





圧力に屈して棄教するキチジロウ(窪塚洋介)。

宣教師のロドリゴも弱い者が苦しむのに耐えきれず「転ぶ」。

重いテーマであり、悲劇的な結末となる。

ただ、救いはロドリゴが荼毘にふされるときに、その胸に十字架を

隠れて抱かせたのは日本人の妻だった。見つかればどんな仕打ちが

待っているかもわからないのに。


             主よ あなたはなぜ

             黙ったままなのですか




映画のなかでのことばが残響のように耳底にある。



☆     ☆

2009年秋、日本歌人クラブ 全九州短歌大会の翌日、

わたしは数人の歌人と外海を訪れた。

海は碧く澄み、遠藤周作の碑文のことばが悲しかった。




             人間が

             こんなに

             哀しいのに

             主よ

             海があまりにも

             碧いのです       遠藤 周作

2017年1月 6日 (金)

映画「この世界の片隅に」

お正月についに観に行った。(原作・こうの史代)

アニメは今まで一度も観たことがない。

初体験のアニメ映画だった。

映画館がこんなに混んでるとは……

それでもどうにか席はとれた。

ザ・フォーク・クルセダ―ズの「悲しくてやりきれない」の曲が哀愁を

帯びて流れる。

画面、やわらかなタッチの絵が実にいい。

絵が得意だった少女・すずが広島の呉に嫁ぎ、

日に日に戦争の色濃くなる中での不如意な生活ながら、すずの

明るさと素直さがいとおしく感じられる。






すずの声を演じているのは、女優ののん(旧・能年玲奈)。

彼女の甘ったるい声がすずのキャラを充分に生かしている。



姪っ子と外出中に空爆に遭い、死なせてしまう。

そして、すずも右腕を失くす。

いよいよ戦局は不利になる一方で……8月へとなだれ込む。

「わたしはここで生きてゆく」

すずのけなげな声が耳に残る。








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久々に聴いた「悲しくてやりきれない」。

帰宅して花田先生コレクションのザ・フォーク・クルセダーズを聴く。

「青年は荒野をめざす」もいいけど、わたしは「イムジン河」がいちばん好き。





それは、そうと、予告編で観た中島みゆきConcert 「一会(いちえ)」を観に

行きたくなったよ。え、2500円だって ?

2016年12月25日 (日)

映画「海賊とよばれた男」 

2013年、本屋大賞を受賞した百田尚樹の同名小説の映画化。

明治・大正・昭和の時代を舞台に石油事業に困難にめげず果敢に

命を賭けた男、とその仲間?たちの物語。

            舟を出せ~

鐡造の一声によって、舟に積まれる石油。

            波荒し    25灌

            波穏やか  50灌

            天気晴朗  100灌


と、その日の海上の天候によって海での取引の灌数も変るのだ。








紆余曲折を経て、

戦後、石油メジャーの妨害に遭い、輸入ルートが断たれてしまう。

鐡造は最後の手段として、イランとの取引を決断する。

イギリスからの妨害や拿捕だってあり得る上での決断であり、強行だった。

「日章丸」の運命やいかに……


岡田准一が、青年期から95歳の亡くなる日までの主人公・国岡鐵造を

熱演していた。

ことに晩年の鐡造の見事なメークと所作には感嘆した。






その他の出演者は、吉岡秀隆や鈴木亮平、堤真一、綾瀬はるか 等。







ところで、この映画の中で「満鉄本社」が出てきた。

今年の6月に息子と大連を旅して、この「旧満鉄本社」の前まで行った。

大連賓館にも立ち寄ったが、いずれも建物はしっかりしていた。






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年の瀬の、休日の街の賑わい。

首に掛けていたマフラーがいつのまにか無くなっていた。

どこでなくしたのか、あれこれ考えた。

諦めようとしたが、ダメモトでもいいやと 3 Fのインフォメーションに

寄ってみた。

な、なんと、どなたかが届けてくださっていた。

博多の街の、博多のひと?の、親切に感動 !  !




どこの、どなたさまでしょうか? 

御礼を申し上げます。ありがとうございました。



2016年12月13日 (火)

映画「聖(さとし)の青春」 原作 大崎善生

1998年8月8日、29歳の若さで亡くなった天才棋士の物語。

原作は大崎善生(『聖の青春』角川文庫/講談社文庫)。




村山聖に松山ケンイチ。羽生善治は東出昌大。

聖(さとし)の師匠にリリー・フランキー。




松山ケンイチは、映画「怒り」の時との変わりように驚いた。

あの「怒り」で見せた、おどおどしたような少年の眼差しから、勝負に

挑む男の根性を、その眼力に発揮していた。

役作りのために20キロの増量をしたとか。並々ならぬ映画に賭ける男の

意気を感じた。





聖の部屋は本やCDなどで足の踏み場もない。

漫画が大好きな聖の卓の上に『蒼ざめた馬』がチラリと見えたのは

何だったのか?(監督の嗜好かな?)


対局でアップになるたびに聖の指の爪の長さが気になった。

使わない左手は全部の指の爪が長く、右手はかろうじて遣う指だけは

短かかったようであった。それと髪の毛が伸び放題みたいな。この2つの

ことは、エンディングで理由がわかる。(教えないので、映画を観てほしい。)


羽生善治役の東出昌大が羽生になりきっていた。

対局での扇子を小さく開けて閉めるしぐさなど、一挙手一投足が

羽生のものだった。

聖の師匠役のリリー・フランキーが包み込むようなやさしさで接して

いた。彼の演技は、演技というより、体全体から滲み出る〈あたたかさ〉

である。映画「お父さんと伊藤さん」の伊藤さん役でもそうだったが、

すてきな役者さんだ。


勝負の世界の息詰まるような対局。

村山聖語録は、将棋の世界だけでなく、他の世界にも通じるようにも思えた。

対局が終わって、羽生と聖が居酒屋で語り合う場面は、その言葉一つ

一つに重みがあった。






     ぼくたちはどうして将棋を選んだのでしょうね。

     神様のすることは、ぼくには予測できないことばかりです。

     敗けたくない、それが全てだと思います。

進行性膀胱癌の手術をする。故郷の広島でのひととき。

アンケートの類の嫌いな聖がはじめて返送したアンケート用紙の回答。

Q神さまがたった一つ叶えてくれると言ったら、何を叶えてもらいますか?

 回答 神様除去







広島弁の「勝ちたいんじゃ~」がせつない。

羽生も言ってたけど、「負けるのは死ぬほど悔しい」と。





      人間、誰でもいつかは死にますから…






なんて、まだ20代の聖(さとし)がさらりと言うと、泣けてしまう。

     

     

     



       

2016年11月20日 (日)

映画「湯を沸かすほどの熱い愛」 宮沢りえ主演

温泉に行ってきた。

違う、銭湯に行ってきた。

違う、違う。映画「湯を沸かすほどの熱い愛」を観てきた。







ガンで余命2年を宣告されたヒロイン、双葉(宮沢りえ)の孤軍奮闘する

さまに、思わず泣いてしまった映画だった。




双葉の夫・一浩(オダギリジョー)は、一年前に出奔。

爾来、家業である銭湯は休業のままだった。




双葉は余命2ヶ月の間になんとしても「ゼッタイにやっておくべきこと」を

実行してゆく。

まず、家出した夫を探偵社によって捜しだし、連れ戻す。

(ノンシャランとした夫役のオダギリジョーは、いい味を出していた)

娘・安澄(杉咲花)の学校でのいじめによる(いまどきのイジメって

陰湿なんだ。)不登校を母親の愛情で解決に導く





しかして、銭湯再開となるのだが……




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11月6日の「温泉」50首を読んで、に続いて、11月14日には

第4回現代短歌社賞の次席作品「湯」の紹介と、なんだか〈湯〉に

関りがあるなぁ。




たまたま時間的に都合が良くて観た映画が「湯を沸かすほどの熱い愛」

とは、とは(笑)


2016年10月22日 (土)

映画 「永い言い訳」本木雅弘主演  

西川美和原作・監督の映画。

小説家の衣笠(本木雅弘)の妻は、友人と出掛けた旅先で事故に遭い、

死んでしまう。その妻の死を表面上では悲劇の夫として振る舞っている

ものの、実際は涙を流すこともできない。

それは、妻が事故に遭った留守中に不倫をしていたからだ。

その自責の念が綯い交ぜになって、自意識が捩じれ、屈折してゆく衣笠。



妻の友人の夫はトラックの運転手(竹原ピストル)。幼い子どもが2人いる。

衣笠と同じように妻を失くしている。

この子どもたちの世話を衣笠がすることによって徐々に精神が解放されて

ゆく。




心理的な映画で重いといえば重い。

しかし、衣笠が子どもたちの世話をしている姿は実にいい。

衣笠自身が子どもたちを相手にすることによって救われるみたいな…

〈生きている〉ということを、衣笠も実感するのだろう。






本木雅弘は、映画出演を選んでいるみたいに多くはない ?

しかし、「おくりびと」でもそうだったが、とてもだいじに丁寧に役をこなして

いるように見受けられる。





昨年の8月に観た「日本のいちばん長い日」の昭和天皇の役どころも

本木ならではの〈誠実さ〉が滲み出ていた。





このたびの「永い言い訳」は、とりたてて派手な立ち回りや見所はないの

だが、じんわりと胸に入ってくるような良さがある。




本木雅弘の演技はすばらしい。

                                 TOHOシネマズ

2016年10月10日 (月)

映画「お父さんと伊藤さん」 

お父さん(藤竜也)、伊藤さん(リリー・フランキー)、そして、主演・彩

(上野樹里)の物語り。



お父さん(74歳)が、兄夫婦の家を追い出され?ある日突然、彩(34歳)の

住む狭いアパートにボストンバックと小さな箱(謎)を持ってころがり込む。

彩は20歳年上の伊藤さんと同棲している。

この3人のぎくしゃくした関係が見どころ。

お父さんは「この家に住む。生活費は払う」とのたまうが、なんせ狭い

アパート。元・小学校教師だったお父さんは小言が多いし…




彩の息の詰まるような感覚はわからぬでもないが、お父さんとは実の親子

だから、そこはそれ(笑)。



この映画でいちばんほんわかとしてるのは、伊藤さん。

リリー・フランキーがやわらかい、いい味を出している。

バイト暮らしの伊藤さんは、彩よりも20歳も年上ながら、家事もするし、

お父さんにも優しい。

3人3様の言葉遣いや、気の配りかたがじんわりと胸に沁みる。





        死ぬときくらい好きにしたっていいじゃないか。(お父さん言)



       

お父さんが、伊藤さんに二人で一緒に田舎で暮らそうと提案、しかし、

伊藤さんはきっぱりと言う。



        他人に甘えるのもいい加減にしてください。



でも、伊藤さんは彩に向かって「ぼくは逃げないよ」と告げる。

この「ぼくは逃げないよ」の言葉は重い。






この世の中にこの映画に似たような家庭・家族は沢山いることだろう。

家族の物語りであり、現在の家族像を模索しているともいえる。

 

 

2016年9月20日 (火)

映画「怒り」

大好きな(笑)、綾野剛・松山ケンイチが出ている映画。

今日は街に出たので、そこそこに用事を済ませて観ることに。





得体の知れない3人の男。

新宿での直人(綾野剛)は、優馬(妻夫木聡)の部屋にころがり込む。

千葉の漁港で働く田代(松山ケンイチ)は、槙洋平(渡辺謙)の娘・愛子

(宮崎あおい)と仲が良くなる。

3人目の男、田中(森山未来)は沖縄の無人島で隠れ暮らしている。






この3人は、1年前に起きた夫婦殺害事件の犯人に特徴が似ている。

3人を取り巻く人たちを巻き込みながら、同時進行形に物語は進む。


直人(綾野剛)と優馬(妻夫木聡)の同居生活は……(??)

(綾野の、憂愁に満ちた立ち居振る舞いがとてもよく、また、似合っていた。

 この映画でより一層、好きさが増した。)

一方、千葉の漁港で働く田代(松山ケンイチ)の少年のような硬さ、の演技。

この2人を観られたことだけでもハッピーな映画だったともいえる。







沖縄で事件(事故?)が起きる。

少女・泉(広瀬すず)が、とんでもない凶悪な事件(?)に、

巻き込まれてしまうのだ。



広瀬すずが熱演していた。(泣いてしまった、胸がかきむしられるような

口惜しさ、悲しさだった。)




皆さんにお薦めの映画 !  !



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丸善で『怒り』上・下巻の文庫を買ってしまうところだったが、

かろうじて我慢した。

頼まれていた『別冊太陽』も買えなかったことだし……

帰宅すると、たくさんの郵便物が届いていた。

2016年8月24日 (水)

映画 「シン・ゴジラ」

観客動員数が230万人?とも言われている「シン・ゴジラ」を、街に出た

ついでに(笑)観た。



上映時間2時間に長いなぁ~と思って入ったのだが……そうでもなかった。

観客は子どもたちよりかえって大人の方が多かった。





竹野内豊・長谷川博己のスーツ姿というか、働く男の精悍さが実にいい。

そして、石原さとみの流暢な英語。役どころとはいえ、カッコ良過ぎる。

それにしても政府の対応、官僚の在り方など、緊急事態の時ほどその

真価が試される。(原発事故の時の政府の対応を思い出したりした。)





           10年後の自分のポストより、

     10年後の日本の存在を信じたいです。

       (と、言ったのは、内閣官房副長官の長谷川博己だったか?)





この映画は、抒情的な彩合いをいっさい出さずに終わった。

そこが希有だとも思う。だいたい家族愛とか<愛>を盛りたがるのだが……


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『世界中で迷子になって』(角田光代 小学館文庫)を買ってしまった。

頼まれていた「BRUTUS」があって良かった。



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