映画・テレビ

2019年2月11日 (月)

映画「ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー」  大洋映画劇場

地獄のような戦争体験。

仲間の多くが犠牲になった戦争。

忘れてしまいたい残酷な場面がフラッシュバックするサリンジャー。


書くことに精魂こめて対峙する。

嘘のない物語を書きたい。

偽りなく伝えたい。

            ライ麦畑のつかまえ役。

            そういったものに僕はなりたいんだよ。

            馬鹿げていることは知ってるよ。

            でも、ほんとうになりたいものといったら、

            それしかないね。

その長編小説が完成し、一躍有名になり大ベストセラーになる。

しかし、サリンジャーは人前に姿を現すこともなく、ひっそりと暮らす。


僕にとっては「宣伝でもない、書評でもない」と言い切るサリンジャー。

父親の一言の「生まれたその日から心配していた」の言葉に涙が零れた。


この映画を観て、『ライ麦畑でつかまえて』J.D.サリンジャーの

青春小説を改めて読み直したく思った。

2019年1月22日 (火)

映画「家(うち)へ帰ろう」   KBCシネマ

第二次世界大戦中、ナチス・ドイツによるユダヤ人の大量虐殺。

そのホロコーストから逃れた主人公の仕立屋・アブラハム。

高齢になって、子どもや孫からもやさしくしてもらえないのは、

とても頑固なのである。頑固で融通がきかないというか、可愛げのない

おじいさん。(大戦中の後遺症で、あんなに頑固になったのか ? )




子どもたちから、住んでいる家も売り払われそうになり、老人

ホーム行きになりそうな気配。

そんなアブラハムが一大決心をして、ポーランドへ旅立つ。

ホロコーストから逃れて来たとき、匿ってくれた親友に会うためだ。

その親友に最後に仕立てたスーツを届けるために。

親友が生きているか、その住まいに今も居るかどうかさえ分からない。

70年以上会っていないのだから。


旅の道中でアブラハムの頑固な性格は、親切にしてくれる女性たちに

よって‥‥‥


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昨日(21日)の西日本新聞夕刊の一面に3段抜き以上の紙面を使って

萩原慎一郎さんの『滑走路』(角川書店)の紹介記事が掲載されていた。

「非正規の直情 心打つ」 大きな見出しの文字だ。

発行部数が現在、8版30000部を数えるそうだ。

九州大大学院の有吉美恵さんが、読み解く。


       彼は歌人であるが故に苦しんだのではないか。作歌は現実を

       直視し、自分をさらし、身を削るような行為だったかもしれない。

       それでも、何かを強く訴え、生きた証を残したかったのだと思う。

       このような結果(自死)になり、若い才能が消えた。残念だ

                                     (有吉美恵さん 談)


拙ブログ(「暦日夕焼け通信」2018年12月23日)にて、紹介した歌と

5首が重なっていた。

やはり、その5首にはインパクトがある。


      ぼくも非正規きみも非正規秋がきて牛丼屋にて牛丼食べる

      夜明けとはぼくにとっては残酷だ 朝になったら下っ端だから

      非正規の友よ、負けるな ぼくはただ書類の整理ばかりしている

      抑圧されたままでいるなよ ぼくたちは三十一文字で鳥になるのだ

      更新を続けろ、更新を ぼくはまだあきらめきれぬ夢があるのだ

2018年12月22日 (土)

映画「日日是好日(にちにちこれこうじつ)」  KBCシネマ

森下典子のエッセイの映画化。

黒木華主演の茶道入門の映画。 

茶道の師匠は、この9月に亡くなった樹木希林。




茶道の作法の細かさに典子(黒木華)は、ビビりつつも、次第に身に

ついてゆく。茶室に入る時は、左足からとか、畳一帖を六歩で歩くとか、

帛紗さばきとか、覚えることばかり。だが、師匠の言うには、

     はじめに型を作っておいて、あとから心が入るものなのよ。


らしい。習い始めて10年、典子にも茶道の心が備わってくる。

季節によって微妙に違う雨の音、松風(釜の湯のたぎる湯相)の音。

茶道に縁のない人も一度鑑賞するといい。



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今日は冬至。

先日、毎日文化教室の事務所の佐藤さんが自宅で収穫した柚子を

籠に沢山盛ってカウンターの前に置いていた。

「御自由にお持ち帰りください。」と書かれていた。

教室が終わると、4階の教室の前まで籠を持って来て下さった。

わたしたちはこの心遣いが嬉しくて、好きなだけ頂いた。


今日はその柚子をお風呂に浮かべて、「柚子湯」を堪能した。



そして、今のマイブームは「白菜漬」。

この冬、白菜がお安くなったので、せっせせっせと漬物作りをしている。

本日で4度目の漬物作り。

2人暮らしなので、漬けるのは白菜の半分だけ。

それを3等分くらいに割り、2日間くらい陽に干す。

少し、しんなりしたのを漬ける。材料は、塩・唐辛子・昆布くらい。

水が出てきたら、1度その水を捨てる。

2・3日したら出来上がり。


おかか(鰹節)をかけたり、すりごまをかけたりして頂く。

美味しい、確かに美味しい。

誰にでも出来るので、お試しあれ。

えっ、もう、作ってる(笑)

2018年12月10日 (月)

映画「かぞくいろーRAILWAYS わたしたちの出発ー」

肥薩おれんじ鉄道の沿線がドローンで写し出されるのは旅した気分に

なる映画。海際を走るのは見ていて気持ちいい。


夫が突然亡くなり、夫の連れ子・駿也を連れて、夫の故郷・鹿児島へ

やって来た晶(あきら)・(有村架純)。

運転士の義父(國村隼)は、息子の亡くなったことを知らなかったのだ。

晶は、この鹿児島で義父と駿也と暮らそうと決意。

運転士になるべく勉強する。

駿也は母親の晶を「あきらちゃん」と呼ぶ。

ホントの親子よりも一見、仲良しに見えるのだが…


だが、駿也とは実の親子でないだけに、葛藤も生じる。


有村架純の運転士の制服姿は、凛々しく、美しく、実にいい。

主題歌を斉藤和義がうたっていたのも印象的。

観光列車 「おれんじ食堂」に乗車したくなったよ。



現在、さつま大川駅には、「かぞくいろ」のメッセージノートが備えられて

いるとか。

そして、阿久根駅には鉄道グッズが展示されているらしい。

小さな旅をしたくなった。

2018年11月12日 (月)

映画   旅猫リポート   福士蒼汰主演

このところのストレスを宥めるために映画を観に行った。

10月の岩合さんの写真展も期間中に行くことが出来なかったので、

その埋め合わせでもある。

有川浩のベストセラーの映画化らしい。



ネコ好きの青年・悟を福士蒼汰が演じている。

事故に遭った野良猫を保護し、飼いはじめる。

しかし、その猫のナナを事情あって、手放なさなければならない。

新しい飼い主を探すためのナナと二人? で旅に出る。




ナナの声役は高畑充希。

高畑の声がナナにハマり役だった。


          七色の虹

          ナナの虹


墓参に訪れた丘の上より見た虹。

菜の花畑のシーン。


映像も美しく、福士蒼汰の切れ長の目が印象的。

おばさん役の竹内結子も好演していた。



思わず2、3度泣いてしまった。

映画を観ながら泣いたのもひさしぶり。

ネコ好きのかたも、そうでないかたも、観ると心が浄化される、

と、思うんだけど…

2018年11月 4日 (日)

映画 ビブリア古書堂の事件手帖

黒木華が主演と知り是非観たくなった映画。

鎌倉でひっそり営む古書店という設定もなんとなく惹かれる。

ベストセラー小説の映画化らしい。

夏目漱石の『それから』や太宰治の『晩年』の古書がミステリーの

素材となっている。このミステリー仕立てがいまいちよく呑み込めなかった。




黒木華はビブリア古書堂の女店主。

古書を扱う手つきが実にいい。

彼女の所作は絵になっていた。

鎌倉の街をもっともっと写してほしかったのだが、景物はあまり

写していなかったみたいだ。


青年・大輔を野村周平が演じていた。

まっすぐな眼差しに清潔感がただよう。



「旅猫リポート」の方も観たかったのだが、2本もたて続けに観るのは

どうも‥‥

2018年9月26日 (水)

テレビ NHKスペシャル「樹木希林を生きる」

PM7:30〜8:45 のNHKスペシャルを視聴。

長期密着取材の樹木希林さんのドキュメンタリーだった。

癌で余命宣告されながらも、粛々と映画の撮影に取り組む日々。

みごととしかいいようがないのだけど、希林さんにとっては「ふつう」の

ことかも知れない。

ごく自然体でこの番組に応じているのだろうが、視聴者としては感情移入

してしまう。


車を自ら運転して木寺ディレクターを送り迎えしている。

車を運転しながら発する言葉はどれも「樹木希林」のことばだった。

「若い頃はケンカ早くってね」 「仕事がなくなるかもと思った」


映画「万引き家族」のミーティングで、是枝監督に「他人をずるずると家に

入り込ませる」設定に納得がいかないと疑義を呈していた希林さん。

その精神の健康さ ? 。是枝監督は希林さんの言葉で脚本を辻褄の合う

ように、少しカバーしている。


希林さんはマネージャ―も付けていない。(そういえば、フジコ・ヘミングも

マネージャ―を持たない主義だった。)





レストランに呼び出された木寺ディレクターに見せた癌の転移の写真。

これを出せば、この長期密着取材も少しは見せ場があるでしょ ?

                                      (文言が違っていたらごめんなさい。)

ここまで番組のことを思い遣る心根。


人生の晩年を、死に際を「未熟なまんまで終わるもんじゃないかな」と、

サラリと言う。


最後の後ろ姿、歩み去る際のことばが「電車がなくなるよ。」(たぶん、

木寺ディレクターに掛けた言葉 ? ) そういう気配りのする人だった

希林さんは。




この番組の再放送があったら是非観てほしい。

再再放送があってもいい。

みんな何かを受け取ると思う。

〈生きるとは〉とか……

2018年8月19日 (日)

NHKテレビ再放送「プロ流儀」 2018年8月19日 13::05〜

たまたまつけていたテレビの橋本さとしの語りの声に耳を傾ける。

今回は、辞書編纂者の飯間浩明の仕事の流儀。

辞書を編むことは、心を編むことだと語る飯間浩明の熱いことばが心地よい。

1年間に4000語もことばを狩猟 ? する、その行動力。

そして、辞書は時代を映す「鏡」であれ !  と。


「的を射る」から「的を得る」への考察。

そして、その〈生存確認〉?  地道な行動が続く。

「黒歴史」など、今ではもうふつうに流通しているんだね。

人に知られては困る恥ずかしい、消してしまいたい歴史とかの意。


飯間さんといえば沢山の辞書関連の本を出している。

まだ未読であるが、今度書店に行ったら探してみよう。






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昨夜は、NHK BSプレミアムの「グレートネイチャー」を観た。

トルコのカッパドキアの奇岩が映しだされたら、2009年に息子と行ったことが

思い出された。はじめての海外旅行だった。

気球には乗らなかったけど、キノコ岩やラクダ岩などが目に浮かんでくる。



火山灰と堆積物で出来た凝灰岩。

1000万年以上前に火山の噴火によって出来たカッパドキア。

四国と九州を合わせたくらいの地が広がっている。


そういえば、岩の中のレストランで食事をし、岩で出来たホテルに

泊まったのだった。

パムッカレでは、裸足になって足湯に浸かった、な。


            思い出に浸り、ゆったりと、穏やかな(歌を忘れた)、
            だらだらとした(笑)この土・日となった。


2018年8月16日 (木)

映画「フジコ・ヘミングの時間」 KBCシネマ

企画・構成・撮影・編集・監督の小松壮一良が2年以上をかけて、

世界各国で撮影したドキュメンタリー映画。

60代で世界に見出された奇跡のピアニストのフジコ・ヘミングの演奏活動、

そして、猫たちに囲まれた暮らしをあますところなく伝えている。


  わたしがフジコ・ヘミングを知ったのは1999年のNHKのドキュメンタリー

  番組のあとだった。それも今は亡き S・I  さんが送ってきた短歌だった。

  「フジコ・ヘミングって誰なの?」って、その時に訊ねた。

  彼は滔々とフジコのピアノの素晴らしさを語ってくれた。

  たぶん、彼の遺品のなかにはフジコ・ヘミングのデビューCD「奇跡の

  カンパネラ」もあるのではないか。(今度の歌会で夫人に訊ねてみよう。)




映画はフジコの14歳の時に書かれた絵日記を捲っていくかたちで進行。

その絵日記の絵が実にいい。(スウェーデン人アーティストの父のDANか ? )

フジコの着る洋服は、19世紀パリのアールヌーヴォ風で、彼女のチャーミング

さを引き立て、パリの街にしっくり馴染む。





80代になった今でも毎日必ず4時間はピアノの練習をするフジコ。

そのピアノの音色には色が付いている。

「弾く人の日々の行いが表われる」と言うフジコ。



彼女が1年の半分を過ごすパリのアパルトマンには2匹の猫がいる。

その猫ちゃんにはドイツ語で語りかけるらしい。猫ちゃんや愛犬が彼女を

支えているのだ。



年間約60本世界のどこかでコンサートを開くフジコ。

「わたしはマネージャ―を持たない主義なの」には、驚いた。

交渉なども自身がするのか?


家族のいないフジコは、〈家〉に拘る。

東京・京都・パリ・ベルリン・LAと〈家〉を所有。京都の家は町屋造りの

古民家。

バリのアパルトマンは、アンティークで飾られている。





この映画は、ピアノ好きは勿論だが、音楽に興味がない人にも

お薦め。フジコの生き方がひりひりと伝わってくるから。


〈魂のピアニスト〉フジコ・ヘミング。


「ラ・カンパネラ」を、もう一度じっくり聴きたい。



冒頭の字幕は、 「人生とは時間をかけて私を愛する旅」 だった。









2018年6月23日 (土)

映画「万引き家族」  是枝裕和監督

第71回カンヌ国際映画祭で最高賞受賞の映画ということで、

やっぱり観に行った。


先日、朝日新聞で角田光代さんがこの映画のことを考察していたが、

難しいことは抜きにして、リリー・フランキーがどのような父親を演じて

いるのかが、わたしのいちばんの関心だった。



その関心もさることながら、改めて、角田さんの文章が思い起こされたのは

なんとも想定外であった。

「よく理解できないこと、理解したくないことを線引きをしカテゴライズすると

いうことは、ときに、ものごとを一面化させる。--略」 

               「理解できぬ世界は悪か」 角田光代  朝日新聞



家族とは、

居場所とは、

生活するということは、



なんともしれぬ重いものを背負いこんで観終えた。

それにしても、安藤サクラさんって、スゴイ。

演技などと思えないほど、自然体で役になりきっていた。


リリーさんも勿論、摩訶不思議なる父親を演じていた。




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20:40     月に木星が寄り添っている。heart01

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